症状として発熱が起きる疾患は多岐にわたるため、同時にどのような症状が出ているかも重要です。「のどの痛みや咳を伴っていないか」「発疹が出ていないか」「お腹は痛くないか」など、体のほかの部位に変化がないかも確認しましょう。 「熱が2日以上続いている」「高熱ではないがぐったりしている」「38度以上の高熱」というときは、特に注意が必要です。 生後2カ月未満で38℃以上の熱が出たら、昼夜を問わずすぐに受診しましょう。
乾いた咳(コンコン・ケンケン)や痰が絡んだような咳(ゴホゴホ)など、さまざまな出方があります。「夜中に出る」「長期間続いている」といった、回数や期間の確認も必要です。 発熱を伴う場合は風邪・インフルエンザ・肺炎・気管支炎などが疑われ、熱がないときも小児喘息・百日咳・アレルギーなどが考えられます。 回数・期間・出方などを観察し、早めに受診しましょう。
呼吸しているときにゼーゼーという音がする状態は「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれます。さまざまな要因から、呼吸器(のどや気管支など)が狭くなっていると考えられます。 顔色が悪かったり、肩で息をしていたり、呼吸が苦しそうだったりというとき、さらにほかの部位にも異常がみられるときは、急いで受診しましょう。
鼻水・くしゃみはよく見られる症状です。 保育園・幼稚園にいきだすと鼻水がではじめることが多いです。乳幼児期に集団生活をはじめると鼻炎症状が起きやすいことは 公衆衛生学的にわかっています。鼻水がながびくことは鼻粘膜に炎症があるということです。この状態だと次のウイルスのかぜに感染しやすくなったり、中耳炎を併発したりと繰り返す発熱の原因になります(いわゆる保育園病増悪の一因と考えています)。また、痰の絡んだ咳の きっかけになることも多いです(気管支炎・喘息性気管支炎)。小さいお子さんは鼻水を早めに治療することがかぜの合併症を予防する ことになると考えています。 また、アレルギー性鼻炎(通年性・季節性)の治療も行っています。いずれも早めの治療開始が大事です。
急性の頭痛では、発熱そのものによる頭痛、のどの炎症やや副鼻腔炎からの頭痛、感染症からの髄膜炎からの頭痛があります。反復性の頭痛(習慣性頭痛)には、片頭痛・緊張性頭痛などがあります。
子どもが吐くのは、食べ過ぎや胃腸炎であるときが多いですが、「お腹を激しく痛がる」「ぐったりしている」などというときは、何かを誤飲したり、ほかの病気の初期症状だったりという場合もあり得ます。嘔吐をくり返すときは、「いつから吐いているか」「何回吐いたか」などを把握しておきましょう。また、吐しゃ物に血が混ざっていないかどうかなども確認しつつ、できるだけ早めの受診をおすすめします。
痛みが強く、発熱を伴うものは、急性胃腸炎・虫垂炎・腎炎・食中毒などが疑われるため、すぐに受診しましょう。熱がなく急性のものではないというときも、潰瘍や心因性のものなどさまざまな要因が考えられます。腹痛が続くときは早めに医師へご相談ください。
下痢以外の症状がなく、1~2回で治まるようなら様子を見てみましょう。 何度も下痢をくり返していると脱水症になることがあり、さらに熱・嘔吐・腹痛などを伴っているときは、感染症胃腸炎・インフルエンザ・食中毒などの可能性もあります。すぐに受診しましょう。
一度便秘になると、便が硬く大きくなって排泄時に痛みを伴ったり、肛門が切れて血が付いたりということもあります。それを我慢することでまた便秘になる…というように、悪循環に陥ることも少なくありません。 原因は、体質や食習慣、トイレトレーニングの影響などさまざま考えられますが、頻発したり、5日~1週間排便がなかったり、排便時に痛がったり血が出たりというときは、受診しましょう。
湿疹・じんましん・ウイルス性のものなどさまざまな皮膚トラブルがありますが、一時的なもので、塗り薬できれいになるようなことも多くあります。ただし、痛み・かゆみなどが強く、症状がくり返されたり、原因がわからなかったりという場合は、皮膚科と連携して対応しなければならないケースもあります。気になる場合はまずはご相談ください。
特定の食べ物を摂ることで、じんましん・かゆみから嘔吐・呼吸困難まで、さまざまな症状が現れてきます。当院ではアレルギー外来でしっかり対応しますので、気になることがあったらぜひ受診してください。 その際、疑いのある食べ物や食べた量などをメモしておくことをおすすめします。
慢性的な疾患で「夜尿症」とされます。こどもの慢性疾患としては一般的なもので、日本の5~15才の推定約80万人が夜尿症とされています。 成長と共に自然に治るものですのであまり心配はいりませんが、1週間で夜尿が3回以上あるような場合は、早めに受診することで治癒率が高くなることも報告されています。
「成長が遅い」「同齢の中で背が低い」といっても、多くが遺伝や体質によるもので、病気が原因ということはまれです。ただし、場合によっては成長ホルモン分泌の問題や、何かの疾患の影響という可能性もないわけではありません。気になるときは一度受診してみましょう。